米軍再編に伴う地域振興策として岩国市が国に要望していた「岩国南バイパスの南伸計画」について、国土交通省はこのほど同路線を新規事業化路線として正式決定した。初年度として、平成31年度の「道路環境整備費」の中に、調査設計予算5000万円を計上した。
岩国市内を起点に柳井市、光市を経て下松市に至る国道188号(総延長約72㌔)は、慢性的な交通渋滞や事故多発状況を解決することが懸案となっている。解決策として整備されたのが国道188号バイパスの「岩国南道路」。山手町から藤生町までの約4.9㌔区間が供用開始された。しかし岩国南バイパスが機能するには柳井方面への南伸、現在整備中の岩国大竹道路との接続は欠かせない。
そこで岩国市は県や事業の早期事業化を求める民間団体などと連携して、国に対し南伸計画の早期事業化を求めて要望活動を続けてきた。また空母艦載機部隊の移駐に伴う地域振興策の一環としても強く要望してきたことから、平成29年事業化に向けた検討作業が始まった。地元住民を対象にしたアンケート調査なども行われ、藤生町から長野地区までの延長約7 ㌔区間を、全線バイパス道として整備する方針をまとめた。その後、詳細ルートを設定し、ルート上の地権者や地元住民などへの説明を経て事業化に向けた作業を進め、3月14日に開催した社会資本整備審議会道路分科会事業評価部会で「妥当」との判断が示され、事実上の事業化が決まった。3月29日に国土交通省は平成31年度政府予算案に道路関係費1,588億円が計上され、その中に「一般国道188号 藤生長野バイパス(通称岩国南バイパス南伸)」の事業費が盛り込まれた。
これに福田良彦市長は「地元の悲願で長年要望を行ってきた藤生長野バイパスが新規事業として予算化されたことは大変うれしく感慨深く思う。地元としてもバイパスの効果を最大限に発揮させるためのアクセス道の検討や完成に向けた環境整備について鋭意努力していきたい」と発表した。