株式会社防長経済新報社

 2019年4月18日

  • 地域経済

 平成30年度倒産企業集計 平成年代で3番目に少ない水準 (株)防長経済リサーチ本社

 小規模事業体の破綻が目立つ 負債規模は微増に止まり平成年代で3番目に少ない水準 平成30年度倒産企業集計 

 

 (株)防長経済リサーチ本社が集計した「平成30年度(平成30年4月~同31年3月)に1千万円以上の負債を抱え事実上倒産した山口県内の企業」は67件、負債総額は69億3,106万円だった。平成29年度の倒産件数56件・負債総額68億6,100万円と比較すると件数は11件、負債総額は7,006万円の増加となった。過去10年間で比較すると件数は4番目、負債総額は2番目に少なかった(件数最多は平成21年度の95件、最少は同27年度の49件・負債総額最高は同21年度の317億4,400万円、最少は同29年度の68億6,100万円)。平成年代に入ってからの比較では件数は4番目の少なさ(件数最高は同13年度の207件、最少は同27年度の49件)、負債総額は3番目の少なさ(負債総額最高は同14年度の1,394億7,800万円、最少は同1年度の48億9,900万円)となった。
 30年度倒産企業・個人経営体67件の内訳は法人企業42件(負債総額62億7,846万円)、個人経営体25件(同6億5,260万円)。負債1億円未満50件(負債総額12億6,206万円)、同1億円以上5億円未満14件(同27億8,900万円)、同5億円以上10億円未満が2件(同13億8,000万円)、同10億円以上は1件(同15億0,000万円)。倒産内容は法的処理の破産が54件、法的処理着手11件、特別清算1件、銀行取引停止が1件で再建型の民事再生法適用申請は0件。倒産企業・事業所のパートを含む従業員数は289名(前年度244名)だった。地域別では下関地区が最多の20件、以下、宇部山陽小野田地区の17件、山口防府地区の13件、周南地区の6件、岩柳地区7件、山陰地区4件と続いた。原因別では売上不振が56件で最多、その他は過小資本8件、採算割2件、設備過重1件であった。業種別では卸小売飲食業関連が23件で最多、以下、建設関連が20件、サービス業14件、製造業4件、不動産3件、運輸・通信が2件、農林・漁業が1件と続いた。
 30年度倒産の特色としては、山陰地区や周南、岩柳地区での倒産発生が抑えられ、相対的に下関地区をはじめとする県西部から県央部にかけての倒産が全体の7割強を占めるものとなった。負債規模では15億円超の1件の倒産(15億円)が全体の約2割を占め、件数では負債5,000万円未満の小規模倒産が約6割を占めた(1億円未満が全体の75 %)。
 <今後の動向と見通し>
 金融機関による中小・零細企業への金融緩和措置の継続により47ヶ月連続して倒産件数は10件未満に収まり、負債総額は対前年比で1%の微増に止まるなど依然として倒産規模は低水準の状況が続いており表向きは小康状態を保っている。しかし、資金調達力が弱く財務基盤が不安定な小規模事業体を中心に企業倒産が偏る傾向が目立ち産業界の末端に位置する個人零細事業者に対する金融支援策が手薄な面が窺える。また人手不足が顕著な点、後継者不足による事業継承問題など課題が山積しており解散・廃業等破綻予備軍に繋がる潜在的な数は相当数にのぼるとみられている。平成が終わり新たな時代の幕開けとともに東京オリンピックや大阪万博を控え経済の需要拡大に向け期待が高まるなか、外国人人材の活用やAIの普及等人手不足の解消に向けた施策の実施に伴う県内企業への波及効果が注目される。

 

 

 

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