~食肉から世界へ~
(株)ミコー食品(岩国市周東町、松田清治社長)は、今年1月よりニューヨークに和牛の輸出を開始した。県内企業では初。同社はこれまでにもモナコ、ドバイ、シドニー、モスクワ、サンフランシスコ等の富裕層に向けた和牛の輸出取引を成立させた実績がある。
近年、同社が力を入れているのが沼本憲明専務による「沼本セレクション」というプロジェクト。同プロジェクトは、沼本専務自らが選別した国内の和牛や、同社が管理を行っている最高ランクの国産和牛「高森和牛」を世界各国の富裕層に向けて提供するというもの。沼本専務は15歳の頃より、姫路にて食肉知識・捌き・整形の修行を積んだ。特に牛肉のカット技術は”沼本カット”と呼ばれており、肉の旨みを最大限に引き出すことが可能で、世界中の美食家達を魅了している。これまでにもドバイの「湖畔亭」をはじめ、世界中の高級レストラン等から招待され和牛をカット・提供してきた。
現在同社は、世界各国に「沼本セレクション」の販路を拡大している。沼本専務は「牛肉は切り方1つでもミリ単位で味が全然違う。各国によって食文化なども異なるが、その国の食文化やその時の需要に合わせ牛肉をカット・提供している。私の技術は誰も真似できないし、世界一だと思っている」と語る。また、今後のプランについて「これから世界中の主要都市に店舗を展開していくことで、『沼本セレクション』の名前を広げていきブランド化することを目指している。それにより世界の食肉文化のレベルを上げていき、常にその中心にいたいと思っている。また、世界に目を向けている企業等ともこれからは提携していきたい。ゆくゆくは世界で1番和牛を売る”肉職人”になることが目標だ」と語った。