株式会社防長経済新報社

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 2019年5月16日

  • 地域経済

 平成31年4月度県内倒産集計 負債総額は平成年代最少 (株)防長経済リサーチ本社

先月に引き続き個人事業体の倒産が中心   負債総額は平成年代以降で最少を記録

 

 (株)防長経済リサーチ本社が集計した「平成31年4月度に事実上倒産(負債総額1千万円以上)した企業」は5件・負債総額1億1,000万円で、3月度(2件・3億3,000万円)と比較すると件数は3件の増加、負債総額は2億2,000万円の減少となった。前年同期(4件・1億7,000万円)との比較では件数は1件増加、負債総額は6,000万円の減少となった。
 4月度としては、ここ10年で件数は多い順に6番目(件数最高は同27年の10件、最少は同30年の4件、同件数は同22・23・29年)、負債総額は10番目で最少(最高は同22年の16億3,000万円)だった。
 平成年代に入ってからの4月度の集計としては、件数は3番目の少なさ(件数最高は同13年の25件、最少は同17・30年の4件)、負債総額は最少(負債総額最高は同13年の295億1,200万円)であった。
 原因別は全て売上不振で、地区別では下関市・宇部市・防府市・萩市・阿武郡が1件ずつであった。倒産企業の内訳は法人が1件(株式)で個人事業体が4件。業種別では建設関連業が2件、製造業が1件、卸小売・飲食が1件、サービスが1 件、パートを含む従業員数は8人。倒産の内訳は破産手続開始決定が4件で、法的着手が1件であった。4月度内に不渡りを発生させた企業体は1件(前月は1件)であった。
※ 3月度に解散及び清算結了登記(破産解散含)した県内企業は19社(2月度14社)

※ 3月度に新設法人登記申請は41社(活動実態は不詳、2月度48社)

【今月の特色】
 先月に引き続き小規模の個人事業体の倒産が中心であり、県西・中部に集中、周南・岩柳地区の倒産は発生しなかった。負債総額は平成年代に入ってからの最少を記録。尚、4月度に破産開始決定を受けた木研(株)は昨年12月度に集計済み。
【今後の見通し】
 各金融機関による中小・零細企業への支援などを受け、ここ半年間の単月度倒産は5件以下で推移、月間倒産件数10件以下は丸4年を経過した。しかしながら、個人消費の回復という実感は乏しく、加えて、中国経済の減少や米中貿易摩擦、イギリスのEU離脱など世界経済を減速させ得るような懸念材料は依然多く、その影響から大手企業の緊縮や設備投資意欲の減少などがおこらないとも限らない。公共工事は新年度、第一四半期は端境期にある。人手不足や後継者難などを起因とした企業体の事業継承断念や、小規模個人事業体の破綻は緩やかに上昇していく気配がある。

 

 

 

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