国土交通省は1日、官民連携による「国際旅客船拠点形成港湾(国際クルーズ拠点港)」の追加(第三次)選定に下関港と沖縄県の那覇港を選定したと発表した。これを受け、下関市は今後、所定の手続きを行い指定されれば、官民連携してクルーズ船の受け入れ施設(ターミナルビルや岸壁)などを整備していく。
国際クルーズ拠点港湾は、港湾管理者が連携クルーズ船社に岸壁の優先的な予約・使用を認めるとともに、連携クルーズ船社が旅客施設を整備することで、官民が連携して国際クルーズ拠点の形成を図るもの。
同市はこれまで「国際クルーズ船拠点形成港湾」の指定を目指して、昨年12月に国土交通省の第三次募集に応じ、計画書(目論見)を提出し、この度、計画書の評価を経て選定された。今後、港湾法等の関係法令に則り、スイス・ジュネーヴに本社を置く世界最大級のクルーズ船社の一つ「MSCクルーズ社」などと所定の取り組みを進めていく。
計画書では「あなたのオンリーワン 下関港」をスローガンに、MSCクルーズ社との協働で下関が「何度でも訪れたい寄港地」となることを目指す。下関港の新港地区(沖合人工島「長州出島」)に、国が基礎的なインフラ施設(岸壁)を整備、乗客ターミナルビルの整備はMSCクルーズ社。運営開始予定は2023年度。協定有効期間は2023年度から30年間。同クルーズ社は欧州で大きなシェアを持ち、近年積極的にアジア進出している。親会社をスイスに置き、コンテナ海運会社としても世界第2位。
国はこれまでに横浜港や清水港、佐世保港、本部港(沖縄県)、鹿児島港など7港を指定している。