下関市は22日、2019年度当初予算案を発表した。それによると、一般会計当初予算は幼児教育の無償化などによる扶助費の増加、公債費元金償還額の増加等により前年度比0.2%、2億2,500万円増の1,145億1,000万円。大型建設事業では、本庁舎整備事業として17億600万円をあて、2020年早期に新庁舎建設を竣工し、順次行政機能を移転する。新規事業は90事業で、拡充事業は24事業。
主な事業をみると、▽中心市街地の賑わい創出として下関港ウオーターフロント開発推進業務1,570万円。あるかぽーとエリアや岬之町エリアを中心に関門海峡沿いのウォーターフロントエリアの開発整備に向け、調査設計、アウトドア事業実証実験、ホテル事業者との契約締結などを進める。▽若者・子育て世代の定住環境創出として、奨学金返還支援事業に30万円。若者の地元就職促進と奨学金返還の負担軽減及び市内の中小企業の採用支援を目的に5年間で最大60万円を支援する助成制度。31年度は制度のPRを進める。▽若者の地元就職支援事業に1,300万円。地元就職を促進し労働力人口を確保するため「しものせきjobnetアプリ」を中心としたマッチング支援として地元企業の就職関連情報の発信や面接会などを行う。
財源不足対策では、予算編成を通じて、財源確保対策やせんたく会議における事業見直しに取り組むとともにボートレース事業収入の7億円、特定目的基金を活用し10億円、さらに不足額については財政調整基金の取り崩し(20億円)で対応している。
歳入では市税が前年度比1.3%増の331億円8,800万円となり、増加の要因は個人市民税や法人市民税及び固定資産税の増加。繰入金は同9.2%減の33億4,800万円で、財政調整基金からの繰入金の減少。国・県の支出金は同4.2%増の248億6,300万円で、幼児教育無償化による国や県支出金の増加。市債は同6.7%減の90億4,100万円で臨時財政対策債の減少などによるもの。
歳出では、人件費は前年度比2%減の211億5,000万円で退職手当の減少などが要因。扶助費は同2.8%増の281億500万円で児童扶養手当や教育・保育給付費の増加による。投資的経費は同2.2%増の90億300万円で、新庁舎整備事業などの建設事業費の増加による。公債費は同4.8%増の139億2,000万円で既存債の元金償還金の増加。繰出金は同3.1%減の155億8,400万円で土地取得特別会計への繰出金の皆減などによるもの。
特別会計をみると、官民連携の国際クルーズ拠点港の形成に伴う新港地区ふ頭用地整備事業費の皆増による港湾会計の増加などにより、前年度比約9億円増の764億8,700万円。企業会計は、ボートレース事業会計の収益事業の増加などにより全体の規模は約91億円増加し、1,004億3,300万円となった。