件数3件は昨年12月度以来で今年最少 平成30年11月度山口県内倒産企業集計
㈱防長経済リサーチ本社
(株)防長経済リサーチ本社が集計した「平成30年11月度に事実上倒産(負債総額1千万円以上)した企業」は3件・負債総額15億6,800万円で、10月度(8件20億5,800万円)と比較すると件数は5件、負債総額は4億9,000万円の減少となった。前年同期(5件・3億3,300万円)との比較では件数は2件減少も、負債総額は12億3,500万円の増加となった。
11月度としては、ここ10年で件数は平成27年と並び最少(件数最高は同23年の10件)、負債総額は2番目(負債総額最高は同26年の16億8,000万円、最少は同21年の3億1,200万円)。平成年代に入ってからの11月度の集計としては、件数は2番目の少なさ(最少は同17年の2件、最高は同12・13年の16件)、負債総額は12番目の大きさ(最少は同17年の9,000万円、最高は同9年の264億3,500万円)であった。
原因別は全て売上不振。地区別では下関市が2件、熊毛郡が1 件であった。倒産企業の内訳は全て法人(株式2件、有限1件)で個人事業体はなかった。パートを含む従業員数は8人。業種別では建設関連業とサービス業と運輸・通信業が1件ずつ。内訳は破産手続開始決定が2件と特別清算開始命令が1件であった。
※ 10月度に解散及び清算結了登記(破産解散含)した県内企業は45社(9月度19社)
※ 10月度に新設法人登記申請は61社(活動実態は不詳、9月度46社)
【今月の特色】
自己破産等による倒産件数は今年最少の2件であったが、2015年12月に運航休止の後、解散し整理を進めていたオリエントフェリー(株)(下関市)が11月に山口地裁下関支部より特別清算開始命令が出された事により3件となった。
【今後の見通し】
倒産件数は増加傾向にあったが、11月度は大幅に減少。然しながら、人手不足による労務費や外注費の高騰等が原材料費の上昇へと企業収益に影響を及ぼしているのは否めず。又、中小企業・個人経営体の中には後継者不足(難)の課題を抱え廃業を余儀なくされるところもある。年末・年度末を控え資金需要が活発化するのに伴い倒産リスクが再び増加する恐れもあり引き続き企業動向に注視が必要と思われる。なお11月度までの2018年の累計倒産件数は72件、累計負債総額は82億7,160万円(昨年同期44件、47億3,500万円)。