総合化学メーカーの東ソー(株)は1 日、周南市の南陽事業所のスペシャリティ事業を構成する機能性ポリマー製品であるクロロプレンゴム(CR)製造設備の生産能力の増強を決めたと発表した。
CRは自動車のホースやベルト、各種工業部品の他、接着剤や医療用手袋の用途に使用され、近年は医療用手袋の需要拡大により、余裕のない需給環境が継続している。このため同社は生産能力増強に合わせ老朽化対策を行い、安定供給を図ると共に伸長する需要拡大に対応し、今後もさらなる事業規模の拡大と収益力の強化を図る。
医療用手袋は、医療現場で使用されるゴム製手袋。現在、素材は天然ゴムやアクリロニトリルブタジエンゴムが使用されているが、CRは天然ゴムなどに見られるアレルギーリスクが低く、他の合成ゴム素材に比べ装着感の良さが評価されている。
計画では、南陽事業所のCR製造設備の生産能力をデボトル増強後、年間3.7万㌧に増やす。投資額は約50億円。工期は今年8月着工、完工2021年10月の予定。