株式会社防長経済新報社

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 2019年6月20日

  • 地域経済

 5月度山口県内倒産企業集計 令和最初の大型倒産発生  (株)防長経済リサーチ本社

 (株)防長経済リサーチ本社が集計した「令和1年5月度に事実上倒産(負債総額1千万円以上)した企業」は4件・負債総額52億9,000万円で、4月度(5件・1億1,000万円)と比較すると件数は1 件の減少、負債総額は51億8,000万円の増加となった。前年同期(8件・4億3,100万円)との比較では件数は4 件減少、負債総額は48億5,900万円の増加となった。
 5月度としては、ここ10年で件数は6番目(件数最高は平成22年の9件、最少は同27・28年の2件)、負債総額は最大(過去最高は同24年の30億2,000万円)だった。
 原因別は売上不振が3件・設備過重が1件で、地区別では山陽小野田市・山口市・周南市・萩市が1件ずつであった。倒産企業の内訳は法人が4件(株式会社1件・有限会社3件)。業種別では建設関連業が1件、不動産業が1件、サービス業が2件、パートを含む従業員数は6人。倒産の内訳は特別清算開始1件・破産手続開始決定が3件であった。5月度に不渡り発生させた企業は1件(前月1件)であった。
 なお、(有)ケイシン(周南市)の関連会社(株)トラスト(飲食業)は(有)ケイシンに連鎖する形で破産手続開始決定に至ったが、負債は700万円の為、倒産集計には未計上。た、破産手続開始決定を受けた(株)シズカコーポレーション(下関市・負債総額17.5億円)は30年10月度倒産集計に計上済みの為、未計上。
 ※ 4月度に解散及び清算結了登記(破産解散含)した県内企業は43社(3月度19社) ※ 4月度に新設法人登記申請は78社(活動実態は不詳、3月度42社)
【今月の特色】
 萩市で設立され本店を2018年4月に東京都へ移転していた(株)JMCが、ADR手法を活用し特別清算(負債総額50億円)。他は先月に引き続き小規模の倒産が中心であり、下関地区・岩柳地区の倒産は発生しなかった。しかし、過去には成長産業と称された介護事業者で倒産する事業者が県内でも散見される。
【今後の見通し】
 金融機関による中小・零細企業への支援を受け、今年に入り単月の倒産は5件以下で推移、月間倒産件数10件以下は4 年を経過した。今後の設備投資は省力化や更新需要で底堅く推移するものとみられるが、先行きに不透明感が増すなかで、輸出とともに鈍化が懸念される。一方、個人消費は緩やかな回復が続くが、消費税率引き上げにより一時的に大きく落ち込むと予想され、不透明感が一層強まっている。いずれにしても、3月決算企業の業績が判明する6月の動向が注目される。 

 

 

 

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