山口経済研究所は12日、県内企業404社を対象に行った5月の経営・設備投資動向調査を発表した。それによると、県内企業の5月景況感は、「1-3月期に底堅い動きとなるも、足元で米中貿易摩擦の影響などで、やや弱含み」となった。
1-3月期の業況判断DIはマイナス4.7(前期比マイナス0.8ポイント)とほぼ横ばい圏内で底堅い動きとなった。年度末需要等がプラス材料となって、非製造業のDIが2期連続で上昇した一方で、製造業では大企業のDIが約15ポイント低下しており、「金属製品」等の業種で、米中貿易摩擦の影響などから判断を引き下げる企業がみられた。
先行きの4-6月期の業況判断DIはマイナス11.4(同マイナス6.7ポイント)とマイナス幅を拡大し、7-9月期の同DIもマイナス12.2(同マイナス0.8ポイント)とわずかながら低下を続けている。製造業、非製造業ともに、10月の消費税増税を前に駆け込み需要の動きが一部でみられるものの、米中貿易摩擦の影響や人手不足が懸念材料となり、県内企業の景況感は足元でやや弱含んでいる。
1-3月期の売上高判断DIは、マイナス3(前期比プラス3.4ポイント)と2期連続で上昇した。製造業のDIが低下し、非製造業のDIが上昇しており、「建設」「運輸」等のDI上昇幅が大きくなっている。
2019年度の設備投資計画額(工事ベース)は、前年度比9.9%増と4年連続の前年比プラスとなっている。製造業(前年度比プラス13.9%)では、「化学」を中心に大企業が主力製品の能力増強投資などを行っている。一方、非製造業(同マイナス15.1%)の投資額は3年ぶりに前年度を下回る見通しとなっている。