岩国市通津沖工業団地に新しいクリーニング工場設置 100人を雇用
病院や福祉施設、ホテルなどに寝具や制服、リネン製品の販売と洗濯付きリースを手掛けるワタキューセイモア(株)(本社京都府、村田清和社長)が米子市に次いで中国地区で2カ所目となる新工場を岩国市長野尻の通津沖工業団地に新設する。今月8日進出協定書の調印式が岩国市役所内で、県の坂田和彦企業立地統括監の立会いの下で行われた。
同社は明治5年創設の製麺所を前身に昭和37年に設立された。主な事業は病院や福祉施設向けの寝具類の製造・販売、ベッドのシーツや制服、リネン製品などの洗濯付賃貸。全国に支社・支店9 、営業所30、工場が43拠点あり、平成29年6 月現在で従業員数は約1,300人。中国地区では米子に工場を持っているが、外国人観光客の増加を見込み、広島・山口地区への進出を考えていた。
岩国市には関連会社の工場(従業員約60人)があり、従業員が確保しやすいこと、広島・山口両県の境界に位置し、空港や高速道路など物流の利便性が高く、シーツや制服などをクリーニングするには大量の水が必要となるが、水資源が確保されていること、希望する敷地面積が確保できたことーなどで岩国進出を決めた。
15,300平方㍍の敷地面積に鉄骨造り2階建て(約5,900平方㍍)の新クリーニング工場を設置する。投資額は土地代を含め約39億円。4月に着工、来年4月操業開始を目指す。年間取扱量は約11,000㌧の見込み。
新工場の操業に伴い、門前町にある関連会社の工場は統合・廃止、同工場の従業員のうち希望者は新工場に移し、最終的に100人程度を雇用。すべて地元採用を計画している。同社は、「当社にとってこれまで中国地区は弱い地域だった。新工場を拠点に積極的に営業展開を図りたい」と話した。
調印式で村田社長は「中国支店管内は米子に工場はあったが、瀬戸内海側に工場が欲しいと思っていた。いろいろな方の支援で工場を整備することになり本当にありがたい。岩国市にも貢献できるようしっかり仕事をしていきたい」と述べた。福田良彦市長は「同社はこれまで医療・福祉に係る事業展開をされ、新工場ができることを大変うれしく思います。地域の活性化にも大きな期待を寄せています。ますますの発展を祈念しています」と述べた。