山口県は12日、2019年度の一般会計当初予算案を発表した。それによると、一般会計の規模は前年度当初比1.8%増の6,854億2,700万円。昨年策定した県の新総合計画「やまぐち維新プラン」に沿った新たな県づくりを本格的にスタートする予算と位置づけ、県の未来を切り拓く「3つの維新」への挑戦を力強く進め、その具現化に向けた取り組みに対応した予算編成を行っている。同プランの関連事業費の総額は1,836億1,500万円。新規事業は75事業、総額34億1,300万円。廃止事業は70事業、総額は53億1,100万円。
当初、288億円の財源不足が見込まれたものの、これまでの改革の成果を踏まえ引き続き収支均衡した持続可能な財政構造への転換に向けた取り組みを進めた。31年度当初には292億円と見込まれる財政不足に対して、総人件費の縮減、公債費の平準化、公の施設の見直しなどの歳出構造改革、臨時的・集中的な財源確保対策などで約310億円を確保し、財源不足の解消を図った。
主な事業をみると、山口市の県農業試験場と防府市の農業大学校、林業指導センターが統合するための調査設計費や周辺環境整備費、IOT( モノのインターネット)、キャッシュレス決済の導入などが計上された。山口大学医学部付属病院への新生児用ドクターカーの整備、子ども食堂のサポート、やまぐち外国人相談センター、山口宇部空港の国際化推進事業の拡充などの事業が盛り込まれた。昨年の災害復旧のため約72億円を計上。岩国市周東町獺越地区や周南市の島田川などの県東部地域の被災地の早期復興を目指す。