株式会社防長経済新報社

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 2019年7月25日

  • 経済

 山口工場完成 がん治療薬「オプジーボ」などを生産 小野薬品工業(株)

 2020年春の操業開始 小野薬品工業(株)

 小野薬品工業(株)(大阪市、相良暁社長)は17日、県内で進めていた山口工場が完成し、7月12日に竣工式を行ったと発表した。同社は静岡県に主力工場であるフジヤマ工場があるが、今後の事業拡大の増強に加え、事業継続の面から大規模災害のリスク軽減を図るため、山口県内に新工場「山口工場」を建設した。同工場は高活性・抗体医薬に対応できる製造ラインを備え、抗悪性腫瘍剤「オプジーボ」や多発性骨髄腫治療剤「カイプロリス」等の注射剤を製造する。
 同工場は事務機能と品質管理機能を備えた管理厚生棟(3階建て)、製造棟(4階建て)、倉庫棟(2階建て)の3つの建屋をそれぞれ接続するセントラルスパイン(中央廊下)で構成され、製造棟や倉庫棟の増築が可能な配置となっている。
 またBCP対策として、災害に強い工場を目指し、製造棟には免震構造を採用。電力のピークカットのために蓄電設備を導入した。
 製造ラインには確実な無菌性保証や高活性医薬品取扱い時の作業者保護のため、アイソレータシステムを導入。生産管理システム、倉庫システム、製造実行システム試験情報管理システムを連携させ、工場内物流や生産設備の自動化など高度な省力化も実現している。
 工場は山口市佐山の山口テクノパーク内にある。敷地面積は5万7,711平方㍍。建物の建設面積は1万906平方㍍、延床面積は2万8,661平方㍍。建設費用は約210億円。建築施工業者は竹中工務店・前田建設工業の共同企業体。
 また、今後は高品質な薬品を安定的に供給していくための様々な検証を行うと共に、医薬品製造の許可取得などの薬事手続きを経て、2020年春の操業開始に向けて取り組んでいる。

 

 

 

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