農業大学校、農業試験場統合計画案
農業大学校に新本館、交流館など建設
45~50億円かけ2022年オープン
山口県は20日、「農林業の知と技の拠点」形成基本計画案を公表した。その中で県の農林業施設7ヵ所中、農業試験場(山口市大内氷上)、農業大学校(防府市牟礼)、林業指導センター(山口市宮野上)の3施設を統合対象としている。先端技術の開発と高度な技術を持つ即戦力人材の育成に一体的に取り組むことが必要とし、2022年4月供用開始を目指すとしている。同案は28日開会の11月定例県議会に示した。
同案によると農業大学校の敷地に、研究部門と教育部門を一体化した「新本館」と県民に開かれた農産加工施設(オープンラボ)などの「連携・交流館」を新たに建設する。整備計画によると、2019年に基本・実施設計、造成工事に入り、2020年・2021年に付帯施設の整備、新築工事、2022年供用開始の予定。移転施設の解体撤去費を除く総事業費は約45~50億円を見込んでいる。県農業試験場は総面積25.7ヘクタール、周辺は混住化が進みアクセス道は渋滞が多発、本館は老朽化が著しく改築が必要。農業大学校は総面積47.7ヘクタール、周辺は混住化が進む、アクセス道は一部狭隘、県央部の交通の要衝に位置し県民の利便性は高く、瀬戸内産業集積地域と近接しており企業との連携が高まる。本館は耐震施工済み
で移住就農促進センターが今年4月に竣工するなど既存施設の有効活用が可能。
農業試験場の防府市誘致を公約に今年5月に当選した池田豊防府市長は「統合の成果を最大限発揮できるよう協力する」とコメント。
一方、試験場移転で問題となっている試験場跡地利用について渡辺純忠山口市長は「跡地利用のあり方に関する協議の場の設置にご提案いただいたところで、設置の方向で調整させていただく」と話している。