株式会社防長経済新報社

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 2019年7月4日

  • 経済

 長門~俵山道路 9月8日に開通 山陰道全線開通へさらに加速

 山陰道 長門―俵山道路 9月8日に開通 長門湯本温泉IC―俵山北IC約5.5㌔

 山口河川国道事務所は6月26日、建設中の長門-俵山道路(湯本温泉IC-俵山北IC)が9月8日に開通すると発表した。この開通により、課題であった当該区間における急カーブ・急こう配の解消で、走行性の向上や救急搬送時間の短縮、災害時における通行止めの解消、さらには、九州圏の玄関口となる下関市の中国縦貫道に直結することで地域経済の活性化、人的・物的な対流による企業誘致の促進等に繋がると期待されている。
 県内の延長約115㌔の山陰道の一部を構成している同道路は、平成20年度に事業着手し同24年度から用地取得に着手。同26年度から工事に着手。インターチェンジの名称は、長門市深川湯本が「長門湯本温泉IC」となり、長門市俵山小原が「俵山北IC」となる。
 開通によって、約160㍍以上の高低差がある下関長門線の大寧寺峠の周辺では、急カーブが連続していた。しかし、この地点を迂回することで、回避可能となり高低差も約30㍍に緩和され、走行性や安全性の向上が期待できる。この区間は過去10年間、豪雨による事前通行規制や災害により通行止めが延べ約71日間発生していた。今後は、通行止め時の代替性が確保され、緊急時の搬送時間も約10分短縮(往復)され、急カーブの区間の回避で患者への負担も軽減する。
 長門市は水産業の盛んな地域。新鮮な魚介類の多くが下関・九州方面へ毎日出荷されている。今後は、安定的な出荷が確保され、地域産業の活性化が期待される。
 平成27年7月にユネスコから「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産に登録されたため、開通によって九州から県北部への観光交流人口の拡大が期待され、県内及び周辺の市町でも魅力ある観光地域づくりや、必要なアクセス道路の整備等、山陰道を利活用した広域観光周遊ルートの形成に向けても期待がかかる。
 さらに、ラグビーワールドカップ2019日本大会に出場するカナダチームの事前及び公認キャンプ地に決まっているが、長門市街と練習拠点である「俵山スパスタジアム」への円滑な移動も可能となる。
 大西倉雄・長門市長は「今後は山陰道が一日でも早く全線で開通し、中国縦貫道と接続され、引き続き国や県、関係者の方々と連携して、円滑な事業進捗が図れるように努め、山陰道の整備効果を最大限に発揮するため、期待される観光や産業などの地域活性化施策に取り組みたい」とコメントした。

 

 

 

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