倒産件数は平成年代に入り4番目の少なさ
全地区で倒産が発生 卸小売・飲食業の倒産件数が最多
㈱防長経済リサーチ本社
㈱防長経済リサーチ本社が集計した「令和 2 年上半期(令和 2 年1 月~令和 2 年6月)に負債総額1千万円以上を抱え事実上倒産した山口県内の企業は31件、負債総額は41億7,900万円だった。
平成31年上半期の倒産件数25件・負債総額61億6,846万円と比較すると件数は6件の増加、負債総額は19億8,946万円の減少となった。
上半期での倒産件数は過去10年で比較すると件数は7番目(最高は平成25年の44件、最少は同29年の22件)、負債総額は7番目(最高は同24年の119億2,985万円、最少は同29年の24億3,700万円)。
倒産企業・個人経営体の内訳は法人企業25件(負債総額41億1,900万円)、個人経営体6 件(同6,000万円)と、法人企業が大半を占めた。負債総額1億円未満は25件(負債総額 7億0,100万円)、1億円以上5億円未満が4件(同6億2,800万円)、10億円以上の倒産は2件(同28億5,000万円)であった。
倒産企業体の業種内訳は卸小売・飲食業が最多の11件、次いで建設関連業とサービス業が8件ずつ、製造業が3件、運輸・通信1件であり、不動産業の倒産はなかった。消費税率引き上げや新型コロナウイルス感染拡大にともなう消費不振などの影響で、卸小売・飲食業およびサービス業の倒産が目立つ内容となった。
倒産原因は売上不振が最多の21件、過小資本が5件、採算割が4件、放漫経営が1件であった。倒産形態は破産が最多の31件で、民事再生法の適用は見られなかった。倒産企業のパートを含む従業員数は168名(前年上半期期69名)であった。
地区別では下関市が9件で最多、次いで山口・防府が7件、周南市が6件、宇部・山陽小野田市が4件、山陰が3件、岩柳が2件であった。倒産は全地区で発生したが、県央部から西部地区の倒産が全体の約6割を占めるかたちとなった。