株式会社防長経済新報社

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 2019年6月6日

  • 地域経済

 「次世代養殖自動給餌システム」を開発 水口電装(株)

水中自動給餌装置
水中自動給餌装置

 電気制御装置等の設計製作を行う水口電装(株)(下関市彦島本村町7-29-2、水口千津雄社長)は、新たな取り組みとして「次世代養殖自動給餌システム」の研究開発を行っており、各地の養殖場で実証実験を本格化させている。既に東日本のサケ養殖場や九州地区のブリ養殖でシステムが稼働しており、今後さらにブラッシュアップして西日本のブリ等の養殖場にも普及させていく方針。
 同システムは、(社)マリノフォーラム21の参画をきっかけに開発が始まり、太陽光パネルと発電機の動力源と飼料タンク、自動給餌制御システムを搭載した装置(洋上ステーション)を生け簀(イケス)に浮かべ、ホースを使って飼料を水中で自動的に送り込む仕組み。なお水中給餌は日本で初めてとなる。給餌の開始時間や給餌量・速度等が設定できるほか、生け簀の中に設置した水中カメラを通じて魚の泳ぐ様子がリアルタイムでパソコンやスマホから映像で確認でき、遠隔操作による給餌作業が可能となっている。また、給餌データの蓄積により最適な給餌方法が確立できるという。
 水口常務は「養殖の現場にAIやIoTの先端技術を導入することで、給餌作業の省力化と飼育コストの低減化が図られ収益性の向上につながる」と話す。装置の価格は飼料タンク(貯蔵量2.5トン)や給餌ホース等の付帯設備が付いたレギュラータイプ一式の基本料金が1台あたり2,000万円程度。
 同社では、2006年に環境事業に着手しLED製品の研究開発を行い、水産分野では水中誘魚灯でいくつかの特許を取得。ノウハウを活用し2010年に次世代植物工場システムを開発し実用化させている。こうした一連の取り組みが高く評価され、平成30年秋に発明奨励賞と山口県産業技術振興奨励賞を受賞したほか、今年3月にやまぎん地域企業助成基金から助成を受けた。
 TEL083-266-4321

 

 

 

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