燃料貨物船「維新」が竣工、来春運航開始
富士商グループホールディングスの富士海運㈱(山陽小野田市港町7523-3、吉津卓美社長)は、今年3月から建造を進めていた新造貨物船「維新」がこのたび竣工した。燃料専用船として来年3月から運航を始める予定。同社の新造船は6年振りで油送船「翠龍」に次いで6隻目となる。
「維新」は総トン数2,978トンで全長79㍍・幅18㍍の規模。乗組定員は10人で山陽小野田市を船籍港として同社が運航する。
エア・ウォーター&エネルギア・パワー山口㈱が防府市で建設中のバイオマス・石炭混焼発電所の燃料専用船として石炭およびパーム椰子殻を輸送する。
同船の特徴として、①自動揚荷可能なセルフアンローダーを搭載。②船舶の横移動などあらゆる方向に移動可能なレックスペラ(旋回式スラスタ)を2基搭載。③低水深の港でも使用できるウォータージェットスラスターを搭載するなど貨物船としては珍しい運動性能に優れた船舶となっている。また同型船より船幅を1.5倍長くし喫水も4㍍以下とし荷揚げ地である三田尻港の低水深(4㍍)にも十分対応できる設計となっている。
同社は現在自社船5隻(船員60名)と傭船4隻の計9隻で運航し、石炭・セメント・重油等を製油所や発電所向けに輸送している。5隻の社船全てに船内荷役装置を搭載し乗組員もセルフアンローダーの取り扱いに熟知しており荷主先からの高い評価を受けている。
TEL 0836-83-4431。